SUIT ISM 01

スーツの哲学

日本人が笑われない為に

 イタリアでは日本人のファッションは相手にもされません。「ファッションは力なり」こう言い切っても良い程に、ファッションに対する民度は日本人の想像を遥かに超えています。なぜにこれほどまでに服装に対する民度が高いのか?私もイタリアと往復しながら何年も考えて参りました。その答えは彼らの歴史の中にきっと有るはずです。

 それぞれの都市が、我こそは!! と言わんばかりの美しい街づくりに力を注いできた名残は、ローマ帝国から2000年経った今でも、各都市の街並みが堂々と語ってくれます。彼らは自らのアイデンティティを表現する技として、自らの誇りを示す手段として、「美の創造」にその思いを込めてきたと言っても過言ではないでしょう。

 彼らは「美」という概念に大きな価値を認め、宗教と哲学がその文化を下支えしてきたのではないでしょうか。彼らは美しくあることに大きな喜びと憧れを抱き、美しいものに尊敬と敬意を示す民族なのです。

 日本人が彼らに笑われない為には、彼らの文化と哲学を知る必要があります。彼らのそれに耳を傾け理解を深める作業を通じて、私たち日本人自身も自らの捨てがたい文化と哲学に、正しく目を向けられるきっかけにもなると思うのです。