裏地と生地の関係

スーツやジャケット作りにおいて、生地と裏地の関係性は重要です。着用時の“ちらりズム”とか見た目の美しさも大切ですが、素材同士の相性、耐久性についても関係してきます。当店ではスーツについては、黒をベースにシックな色遣いをお勧めしています。これは、ネクタイやシャツ、ベルトや靴などとの色合わせを考えると、スーツ自体の色はなるべく色数を押さえる必要がどうしてもあります。裏地をシックにする分、ステッチには少しこだわりをおきたいですね。いずれにしても、やはりオーダースーツやオーダージャケットは自分だけのカスタムを作る醍醐味をしっかりと味わいたいですね。
オーダーコートのさらなる極みを目指して

お陰さまで濱田洋服店は2009年秋冬シーズンも順調です。世間では600円台ジーンズがもてはやされる中、職業上一抹の不安も抱いていましたが皆さまからの厚いご支援を受けて、元気に活動させて頂いております。
同じジーンズなら安い方がいい、同じスーツなら安いほうがいいという単純な考えで解決できるほど、人間の生命活動は単純な形態ではないのだと思います。同じ着るなら美しいものが着たい。だれも着ていないような私だけの特別な物が着たいなど。人間の内から湧き上がってくるなんとも言えない憧れのような思いは避けようがありません。
こんな時代だからこそ大切な何かを見失わない為に、今年は最高級カシミアやグレードの高い生地を中心にさまざまな考察を続けて参りました。現在は3年前から研究を始めて参りました、初のオーダーコートラインのさらなる発展に向けて第2段階目の結論を迎えています。ハンドメイド、ミシンメイド共に素敵なディテールと高い技術で二つのモデルがさらなる発展に向かっています。ハンドメイドはすでに完成し、マシンメイドラインが来月プロトタイプが出来上がります。私も、もう楽しみでなりません。
通常極上のカシミアでオーダーコートを発注すれば、40万円は超えます。これを濱田洋服店のお客様にはなんとか(マシンメイド)15万円~(ハンドメイド)23万円~という価格でご提案できるように目指しています。これぐらいの価格でしたら、頑張れば手が届くとおっしゃって頂ける方々が増えるのではないか?と考えています。皆さまに少しでも素敵な、少しでも良質な、少しでも世界レベルで通用する服を御提供できますように、これからも精進して参ります。
新しき旅への挑戦

私は仕立て屋という独特な仕事をしていますが、この仕立て屋という仕事にはあらゆる要素が必要だと思っています。
まずは技術、そしてあらゆる知識、さらに感性、哲学、行動力、カリスマ性、観察眼、想像力、探究心などなど。中でももっとも大切なのは、哲学と想像力だと考えています。
哲学は、もっとも根源的に「仕立て屋とは何か?」という問いに向き合うこと。
そして想像力は仕立て屋としての可能性そのものを表すと思っています。
そのために感性を磨き、知識を蓄え、観察を続け、探究し続けるのだと。
そしてその高みに到達したものがカリスマ性を身につけることができるのではないでしょうか。
このことは何もファッションに限らず、あらゆる仕事に言えることだと思っています。
「私たちにとって身につける物の意味とは何か。」
この問いに答えを求めていく責任が仕立て屋にはあると思っています。
そのためにも、来年2010年。
私はイタリアへもう一度初心にかえって勉強に行く計画を進めています。
期間は最低3カ月。
自分の中に大きな財産を再び身につける為の冒険の旅。
日本と全く違った価値観と時間軸を持つ国で、さらに自分の可能性を広げてみたい。
その衝動にかられての出発です。
期待と不安。
しかし今まで私は、こうした挑戦を繰り返しながら歩いてきました。
23歳に結婚したときも早すぎると言われる中の決意。
24歳独立したときも、周りに後ろ指をさされることも数多くありました。
27歳イタリアへ飛んで勉強に行った時もそうでした。
そして今この35歳。
さらに新しい扉を開く為に。
まだまだ私の挑戦は続きます。
自分の信じる方向に向けて。。。
確実に存在するファッションの基本

イタリア人のファッションをじっくり見ていると、イタリアにはファッションの「基本」という軸があることに気付きます。これが世界中でイタリア人はオシャレであると認められる大きな要素だと私は考えています。
「基本」の要素は沢山ありますが、大きなもので言えばまず、
「自分のサイズを知っている」ということ。
ズボンの細さや上着のサイズ、シャツのサイズなど、彼らは決してオーバーサイズな服を選択しません。国民全体が「サイズ」に対する感性が育っています。みんな自分に合ったサイズを来ているだけで大きくオシャレに近づきます。
第2に「色合わせが上手」多くの色を使いすぎない。ということや、色と色の相性の良さを良く知っているのです。たとえば同系色で合すという基本以外にも、「紺色と茶色」が相性が良い事はイタリア人から教わりました。紺のストライプスーツに茶色の無地ネクタイってホント綺麗に合うんです。一見びっくりするような色合わせでもイタリア人にかかってしまうと素晴らしい色合わせになるんです。
第3には「素材合わせが上手」良質の素材と安価な素材をうまくコーディネイトすることによって、全体として安っぽい雰囲気には絶対にならない方法を知っているんです。女性なんて、本当にアクセサリーも上手に使っています。
イタリアから教わったことで一番大きなことは、ファッションには確実に基本が存在するってこと。DCブランド神話がやっぱり続いてしまっている日本には、なかなか難しいですが、絶対に必要な感性です。
意味

美しい服を着るという意味を考え続けてこの10年、仕立て屋という仕事をして参りました。今や、イオングループが8000円代のスーツを売る時代。そしてイタリアの代表的ブランド「ブリオーニ」は、東京の銀座価格で一着80万円です。同じスーツと一言でいっても、ピンとキリでは100倍の価格差。そんな世界で私は仕立て屋としてどんなスーツを作り、そしてそのスーツにどんな意味を持たせて行くべきか。これは哲学であり、ロマンでもあります。
私の好きな車にアルファロメオという車種があります。代表的なイタリア車です。一般的には高級車のクラスに位置するでしょうか。エコエコとうるさいこの時代にもかかわらず、相変わらず燃費の悪い車。故障も多い車です。しかし、私自身どの車よりも、このアルファロメオに魅力を感じます。この魅力とは何でしょうか。車というものが、単に実用的な道具であるだけなら、燃費が悪く故障の多い車なんて論外のはずです。しかしそれでもこの車がほしくなる理由には、ただ実用的である以外に多くの要素を車に求めているからにほかなりません。
私は一着とうスーツの中に、実用的な衣服という以外にどれだけの要素を持たせることが出来るでしょうか。そこに鍵があると信じています。完全に納得のいく物はいつまでも作ることはできないかもしれません。しかし、一歩ずつ確実に階段を上る手ごたえを感じながら仕事をしていきいたいと思っています。今日も3時間程生地と向かい合いました。彼らの美しい声を聞きながらまだまだ深い、この魅力ある仕事に幸せを感じています。
肩の力が抜けているイタリア

写真は、イタリアはミラノの小さな紳士洋服店。ディスプレイが程良く力が抜けていていいんです。この辺りが日本とイタリアが決定的に違う点だといつも思います。日本はお金をかけて、力いっぱいディスプレイする店と、そうでない店の差が激しすぎます。日本の商店街は今やほとんど潰れて、みんな郊外の大型スーパーなどに食われてしまいました。これにはいろんな要因があると思いますが、私は日本の商店街でオシャレなお洋服屋さんを見たことがありません。がんばらなくてもお客さんが来るので、気が付いたら時代遅れになっていたのではないでしょうか。ファッションの世界は常に激動しています。小さな店ほど店主のセンスが命です。イタリアのように小さな洋服屋が元気に息づける社会になったら、もっと豊かな社会になると思うのですが。それにはオシャレな店主がちゃんと育たなくてはいけません。日本のこれからのファッションを背負っていく店主の卵さん達。一緒に頑張って参りましょう!!
不景気になると粗悪品が増える日本の姿

不景気になるとあっという間に日本は激安品、粗悪品で一杯になります。今日も大手スーパー、各種テナントを軽くウィンドーショッピングしましたが、まさに驚くばかりの粗悪品の数々。品質という概念の外側の商品ばかり。夏のクリアランスセール!!1000円均一!!からはじまり。見るもの全てが粗悪品。不景気だからといって本当に安ければそれでいいのでしょうか。
贅沢が良いとは決していいませんが、これだけ粗悪品に囲まれたら私たちの感性や美意識はどこで育つのでしょうか。いいものを知っていて、粗悪品も知るならいいですが、これじゃあいいものを知る機会が全くなくなってしまいます。
いいものはやっぱりいいし、本物を着たり食べたりすると人間という生き物の素晴らしさが身にしみます。経済ばかりが先走って、文化や芸術をないがしろにしてきた日本社会の歪は、これからおもいっきりボディーブローが利いてくる。そんな気がしてなりません。
だから今日は、数時間一着分、生地だけで20万円を超えるスーパーピュアカシミアを眺めて触ることにしました。これを触っていると人間という生き物の素晴らしさが沁みわたってきます。私たちは私たちが思っているよりも、もっともっと素敵で素晴らしい生き物なのだと、こんな時期ほど気づくべきだと思います。
シャツが持つポテンシャル

世界中で「シャツ」に一番一生懸命なのはイタリア人です。そう言いきってもいいほど、シャツに執着を見せるのがイタリア人です。ウインドーガラス向こうのシャツにくぎ付けになっているイタリア人男性を良く見かけます。イタリア人はシャツが命。まったくそんなイメージです。
「オシャレの基本は靴から」と日本ではよく聞きますが、このフレーズが日本人男性のオシャレをダメにしているとも思います。ファッション性がほんどんど感じられないスタイルなのに、時折靴だけハンカチで磨いている男性をみると。
ファッションとは、コーディネイト力をいいます。あくまで全体のバランス。そういう意味では、一番人の目線に大きく響くのがシャツです。全体の中でのシャツの持つ意味合いは大きい。
イタリア人はシャツからまず選びます。靴から選ぶっていう日本人がいますが、私はお勧めしません。全体のコーディネイトやTPOに合わせて最後に靴を選ぶ。それが正しいと思います。
シャツ一枚で一日が幸せにも不幸にもなる。それぐらいシャツの持つ力を大きいものだと思っています。
昔の衣装は素敵です。

写真はナポリにある石像。
昔の衣装って素敵ですよね。一度こんな服を着て日々過ごしてみたいものです。時代と共にすべてが進化するわけではないということが、この衣装からも教えられる気がします。このような衣装を着ると、おのずと所作もエレガントにならざるを得ないと思います。自分の所作を律する為にも、ちゃんとした服を着るって大切ですね。
一着という物語の始まり

ここは、イタリアのボローニャという街にある生地屋です。エルメスの生地も一部担当するという最高級の生地を作ります。もちろん当店とも直接の取引があります。いつもお客様と小さな生地見本で選びますが、その生地の反物がこうして並べられているわけです。私がここへ生地を発注すると、担当者がこの棚から反物を下ろし、必要分をハサミで切って当店に送ってくれるわけです。そう、ボローニャから送られてくるのです。飛行機に乗って。スーツ一着という物語はこうして始まります。一着という物語をいかにしてドラマチックなものにできるか。それが私の仕事の課題であり腕の見せ所です。さて、今年もドラマチックな仕事をいくつ完成させることができるでしょうか。皆様からのご依頼をお待ちしています。
フィレンツェのシャツ

フィレンツェのシャツって派手ですか?とにかくカラフルですよね。でも夏にジーンズや白の綿スラックスなどと、このシャツ達を合わせるとすっごく素敵なんですよ。ワングラスも忘れずに。もうそれだけで貴方もフィオレンティーノです。イタリア人の配色能力の高さが伺えます。
美しいと思うものから

「美しいものを美しいと感じる」とても大切なことだと思っています。
自分がその洋服を着て似合うかどうか?という視点も確かに重要ですが、美しいと思うものを目に焼きつける。それがどんな意味を持つのか?そんなことに大いに可能性を感じています。
「見る」という行為にも沢山の種類があります。ちらっと見る。観察する。分析する。考察する。研究する。思いをはせる。あこがれる。感動する。衝動。
これらすべて「見る」という角度を表現している言葉とも。
たった一枚のウィンドー写真。
この写真から何を感じ、何を得、何を思うのか。
何か小さなきっかけにもなればと。
GILE(ジレ)という選択

gile(ジレ)=いわゆるちょっき(ベスト)のことです。
最近、メンズ雑誌などでイタリア語やフランス語の「ジレ」という言い方をするようになりました。たしかに「ちょっき」より「ジレ」のほうがかっこいいですよね。
今日は、その「ジレ」のご提案です。
夏場、ジャケットを着るほどでもない。でも、ちょっとおしゃれしたい。
クーラーの下ではシャツ一枚だと寒い時がある。などなど、ジレがあれば全部解決!!っておもいませんか?春夏、秋冬に一着ずつお気に入りのジレがあればかなり楽しめますよね。
当店では今までは、仮縫い付きのハンドメイド(¥50000~)しか「ジレ」は扱っていなかったのですが、現在、ミシン縫いのラインを整えようと目下試行錯誤中です。現在試験的にプロトタイプを製作中。がんばって、なるべく早い段階で発表したいと思っています。ご期待下さい。
これ、どこかわかります?

どこかわかりますか?実はフィレンツェにある、あの有名ブランド「フェラガモ」の入口。なぜこんなに天井が高いかって?それは昔、ここに馬車を停めたから。
今もこうして使われているんですよね。数百年前と同じように。
日本の大阪城もいっそのこと府庁舎として使いますか!!
アルファから教えられること

今日は仕事の後、アルファロメオのディーラーでウィンドーショッピングをしていました。お目当てはMITOを見ること。憧れの目でウインドーの中を覗いていたら閉店後のお店が明るくなり、いつもお世話になっているディーラーの方が出てきてくれて閉店後のお店の中でじっくりとアルファロメオを見せてくださいました。美しい真っ赤なスパイダーの運転席に座った瞬間。脳内に分泌物が出るのを確かに感じました。なんでしょうねあの贅沢な感じは。そして贅沢なだけじゃないんですね。イタリアの魂というか情熱というか、つやっぽいあのムードは絶対にほかにはだせませんね。BMWやメルセデスとは全く違うあの空気に何かを教えられました。
私もスーツの世界では、アルファロメオやフェラーリを作っている流派に所属しているわけですので、負けているわけにはいきません。「艶っぽいスーツ」私にとって大きな大きな課題です。
スーツにしても、車にしても、「ただ着れればそれでいい。ただ走ればそれでいい。」という価値観も確かにありますが、しかし確かにそれ以上の何かを求める価値観ってありますね。スーツにどれだけの付加価値を盛り込むことができるか。アルファロメオは私にとって愛しの人でもあり、先生でもあります。これからも何を教えてもらうためにディーラーにお邪魔して。そしていつの日か再び手に入れる日を目指して頑張りたいと思います。
イタリアのデザイン力

アルファロメオが新しく発表したMITOという車です。ミラノとトリノの頭文字をとって命名したそうです。どうですか?すばらしいデザインでしょ。写真はMITOの中でもGTAというタイプで直噴の1742cc直4ターボ(240ps)を搭載しています。小さな車体にこれだけの馬力は普通いらないのですが、それを涼しい顔で乗せてしまうのがイタリアらしい所でしょうね。それになんといってもこのデザインです。このような艶っぽさはイタリアにしか出せない。
ファッションにも同じことが言えます。艶っぽいファッションはやはりイタリアが目下最先端独走中です。イタリアという国が誇る「デザインする力」は車の世界でも圧倒的です。こんな車を次々と発表されたら、ますますイタリアの虜になってしまいます。

HOME

